かつて日本国有鉄道の「斜里駅」（現・知床斜里駅）と「越川駅」（廃止駅）を結んでいた「根北線」にに建設された無筋コンクリート造の10連アーチ橋梁（橋長147m・高さ21.7m）で、未完成（工事線）のため、列車が走ることはありませんでした。正式名称は、「第一幾品川橋梁」(だいいちいくしながわきょうりょう)ですが、通称の「越川橋梁」で呼ばれることが多く、「登録有形文化財」の登録も通称名が採用されています。「根北線」は、釧網本線の「斜里駅」（現・知床斜里駅）と標津線の「根室標津駅」を結ぶことを目的に建設された路線で、1957年（昭和32年）に斜里駅から 越川駅の区間が開通しましたが、その後に路線バスの運行に伴い旅客が奪われ、1970年（昭和45年）に全線が廃止されたそうです。本来であれば、取壊されるはずの橋梁ですが、場所が山中奥地であったため、そのまま放置され、1973年（昭和48年）に国道244号の工事に伴い橋脚２本が撤去されましたが、地元の斜里町が保存の意向をを示したため、解体を免れたそうです。夏は木々が覆い茂り判り難いですが、冬季は枯れた木々の間から良く見渡せます。