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免許取得物語 第5話
ROAD to DRIVE
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データでまるわかり!運転免許証をとるには!?
自動車教習所に通うことになりました

第5話ヒヨコのくせにちょっとだけドライブの楽しさに開眼

あれ? なんでこんなに通いやすいの?

免許取得予定の皆さん、そして車線をスムーズに変更できる尊敬すべき諸先輩方、こんにちは。
1時間乗るだけで、まだ首筋がガチガチになってしまう、このレポートの主人公の高橋(仮名)です。
今回は、いよいよ最終回。
ここまでの教習所ライフを全体的に振り返ったりするトーンで、これからの皆さんのお役に立てればと思っております。

さて。
「第二段階は、あっという間だよ」というようなセリフを、多くの諸先輩方から聞きました。もちろん、どういう意味だか分かってはいませんでした。
だって、履修スケジュールをどう見返しても、第一段階よりも授業数が多いんです。第一段階は学科が10で技能が12、それに仮免試験がくっつきます。しかし、第二段階は学科が16で技能が19。最後にはやっぱり卒業検定が控えています。こんなにも受けるべき授業が多いんです。

でもですね、実際に第二段階を進んでいくと、あっという間、という意味はよく分かりました。
それは、教習所がアウェーではなくなったから、なのだと思います。
第一段階を履修している間は、私のような社会人には、やはりまだまだ日々の生活のペースと教習所通いのバランスが取れないものでした。なので、通えない日が長く続いたりして、いつまで経っても教習所が「たまに行くところ」になってしまうんです。
しかし、 第二段階ともなると、通うコツも掴めてきます。アウェー感がなくなり、ホーム感が湧き出してきます。技能で横に座って教えてくれた教官が、学科を教えてくれたり、階段ですれ違う時に会釈をしてみたり。これは、規模の小さい教習所なら、なおさらかもしれません。
なので、ちょっと遅くなったけどこれから免許を取ろうかな、と思っている人は(まあ、私ほど遅くなってからというのは稀でしょうが)、早起きだろうが残業だろうが、とにかく 都合を付けて1日でも早く「教習所に通い慣れる」ことをお勧めします。
そうすれば、思ったよりも楽しく早く、免許が取れるのだと思いますよ。

学科と技能の履修には、実はコツがあるんです。1日中教習所にこもる覚悟と時間のある、僕のように若い人なら、最初に学科をガツンと履修してしまうと、その後の予定が組みやすいですよ。技能は一歩一歩確実に進んでいきますが、学科は履修しなければならないコマが曜日や時間帯で決まっているので実は融通が利きにくいんです。
高橋さんのように、空いた時間を活用しての免許取得なら、さらに効率的な履修予定の計画が必要かもしれませんね。
まあ、そういうスケジューリングは、人生の先輩である高橋さんクラスなら、得意なんじゃないかな?

あなたの乗りたいクルマはなんですか?

第二段階がサクサク進む理由のもうひとつは、やはり運転するということ自体に慣れてきている、というのも大きいかと思います。
初日に教習所内のコースから路上に出て行く教習車を見て「いやいや、無理無理、私が外で運転するなんて……」と、想像すらできなかったことを、実際に自分が行う日がくるとは!
第二段階の前半は、複数ある規定のコースを走り回ります。もちろん、授業ごとにスキルアップしなくてはいけない課題はあるのですが、それよりも一般道に慣れること、が大事。ドライバーとしては、まだヒヨコにすらなっていない未熟な私ですが、ほかのドライバーさんの迷惑にならないよう、 安全に、そして円滑に通行することに慣れていくわけです。

このステップ。実はとんでもなく楽しいのです。
確かにまだ怖い部分はあります。見落としがあったり、操作ミスがあったり、自分ではいいと思っても「もう少し早めに確認したほうがいいね」なんてやんわりと指導されたり、楽しいだけではないことは間違いないです。
でも、第一段階で身に付けた基礎的な技術を駆使して、きちんと走り、きちんと曲がり、きちんと止まる。それを一般道で実践するのが、こんなにも楽しいとは!

運転の楽しさは、人それぞれかと思います。
マニュアル車を手足のように操ることの満足感を楽しむ人もいるでしょうし、自分だけの空間でリラックスできるという人もいるでしょう。
しかし、ヒヨコ未満の私にとっての運転の楽しさは、そこにはまだ至っていません。でも、助手席に乗って車移動するということと、自分で運転して移動するということは、どうにも根本的に違うのです。
面白い本を読むと、その時には知的興奮を覚え、その後蓄積した知識が、なにかのシーンで活用できた時には満足感を覚えます。静と動の違いはあれど、たとえるならそういう感じでしょうか。
身につけた技術を使うこと、運転という新しい行動の選択肢が人生の中に生まれてきた感覚の喜び、それらを的確に表現するのはとても難しいのです……。

運転の楽しさは、なかなか言葉にはしづらいですね。
楽しさだけを全面に出してのコメントを差し控えているあたり、高橋さんさすがに大人です。頼りないけど。
ちなみに、自分のドライブテクニックが上達してくると、多少ムチャをしたがる愚か者もいるようですが、僕なんかは「いかに加減速をスムーズにして、後部座席で寝ているヤツらを起こさないようにするか」に燃えています。まあ、そんな僕もかなり大人ですね!

こうなってくると、お気楽なもので、 教習車じゃない「未来のマイカー」に思いが及びます。学科の授業で見るDVDの口元の可愛い彼女は、大きめの外車に乗っていました。いやいや、あれもいいけど、私なら小回りの利く街乗りのコンパクトカーがいいなあ、とか。それとも、いっそのことミニバンにして、のんびり遠出に特化したライフスタイルもいいかもなあ、とか。
街ゆくクルマの種類や色が気になるのはもちろん、いつの間にか休日の過ごし方にまで考えが及びます。うっかりすると、子供のころに写真だけで惚れてしまった世界の名車なんかが脳裏に浮かんできます。
そういう妄想すら、毎日の楽しいスパイスになってきたのです。
信号待ちで止まっている車に、もう少しで「いいクルマですね!」と声をかけそうになったことは、私と皆さんの間だけの話にしておきましょう。

免許取得まであと半歩

第二段階は、応用的な知識と技術を学びます。
それらをひとつひとつご説明するのは、きっと退屈なことですね。都心の繁華街を走る教習コースの難しさと引き換えに、高速道路での教習はシミュレーターだったとか(首都高での実習は現実的に無理ですから)。車庫入れや縦列駐車なども、きちんと学んでその仕組みを覚えれば(擦っちゃう恐怖感はありますが)、少しずつ上手になっていきます。最初は車幅感覚を覚えるだけでイッパイイッパイだったのに、クルマの前後左右の大きさが実感できてくると、縦列駐車だって恐るるに足らず、です。車線の変更だって、教官いわく「免許取って運転すれば、どんどん上達していくんだから、いまするべきことが身に付けばいいんだよ」と言ってくれましたし。

とはいえ、車庫入れや縦列駐車が苦手だ、という人は多いですね。クルマの後部や側部を擦っちゃうかもしれないという恐怖感は、なかなか拭えないものですから。でも、焦らずに「自分の把握できる速度」で何度も繰り返せば、必ず「ああ、こういうことか!」と分かります。実際に見える景色と、頭の中でいま自分のクルマがどう動いているのかが、同時に分かるようになりますからね。上達してね、高橋さん(笑)。

こうして、第二段階はあっという間に進んでいきました。
学科の授業内容も、より高度になってきて、退屈することはありませんでしたね。特に気合いが入ったのが「応急救護」の授業。
その日に授業の予約を入れた生徒たちがグループを組んで止血方法や心肺蘇生、AEDの操作方法などを教わります。人形に「大丈夫ですか!」と大きな声で問いかける、なんてこともするために、恥ずかしさのために二の足を踏んでしまう人もいるようですけど、いやいや、これはもうタメになりました。
ここまでの授業は「事故を起こさないような安全運転」がメインの方向性でしたが、この応急救護は、なにかことが起きてからという前提の授業。これを知っているのと知らないのとでは、きっといざという時の心構えが違ってくるはずです。実際、この授業を受けてから、町中に設置してあるAEDを見かけるたびに、「そうか、ここにあるのか。覚えておこう!」と、意識が変わりましたしね。

さて、 教習所での最後の関門は「卒業検定」。これは確かに厳しいものだと思います。なにせ、教習所が「この人は、自動車を運転する知識と技術を習得しています」と、胸を張って外の道路に送り出すためのものですから。
苦手な部分があれば、それまでに克服すればいいですし、落ちたところでどうってことはありません。それよりも奇跡的に合格して、実際に道路に出てからあたふたするほうが困りものですから。
なので、ここではこんなことをしたから上手に試験をすり抜けた、的なことは申し上げません。目的は、試験にパスをすることではなく、免許を取得して「自動車を安全に快適に運転すること」なのですから。
じゃあ高橋(仮名)はどうだったかといえば、無事教官から「まあ、こんなもんでしょう」という苦笑いのお墨付きをいただき、無事合格。まだまだ至らぬ点もありましたが、パスをしました。ここで指摘された未熟な部分を意識しながら、上達すればいいんです。そういうことなんです。

なんということでしょう、免許センターでの学科試験の結果は?

『自動車教習所に通うことになりました』というタイトルのレポートですが、最後の最後、 運転免許センターでの学科試験にだけ、触れておきますね。
全国には90ヶ所以上の運転免許センター/試験場があるそうです。それぞれの施設に特色があり、きっと「赤い服を着ていくと落ちる」とか、そういう都市伝説もあるんでしょう。
でも、ここまでくれば、そういう特殊な情報は不要です。
言いたいことはたった2つだけ、です。

まず「不足はダメ」ということです。
寝不足と準備不足だけは、挽回しようにもどうにもなりませんから。
受験できる日にちは、己の都合と、勉強する時間の兼ね合いで決めてください。受験は1日仕事です。たっぷり待たされて、みっちり頭を使って、やっぱり待たされます。大事な1日をムダにして後悔しないよう、「不足」だけは回避、です。
ちなみに、私は教習所の 効果測定室(学科試験の模試のようなものを受ける部屋)に備え付けの問題集をみっちりやりました。たまに独り言が出て隣の若者に怪訝な顔をされるくらい、籠りました。分からないことや納得できない解答があると、教官をつかまえて質問もできますしね。とても効率的に勉強できたかと思います。
寝不足がダメな理由は、視力などの適性検査にも影響しちゃうから、ということも言い添えておきますね。

高橋さんも実感したと思うのですが、試験問題には確かに少し意地悪なものもあります。
でも、とても短い時間の間にさまざまな判断を求められるのが運転です。なんとなく正しい感じがする……程度の知識ではどんな事故を招くか分かったもんじゃありませんよ。なので、 サクサク答えが分かるくらいまで、学科の勉強をするのは重要です。
あと、第二段階の知識は、かなり運転に密接に影響しますので、僕の年代の若い人たちも、記憶の瞬発力に頼って一夜漬けなどせず、地道に知識を血肉にしていただきたいのです。過去問で傾向をつかみつつ、しっかり勉強しましょう
ね。

もうひとつの言いたいこと、それは「試験場はアウェーだ」ということです。
免許取得の道のりでは、最初アウェーだった教習所が、最後にはホームになります。教習所側も、頑張ってほしいと思っていますし、運転免許を取得してほしい、とも思っています。だから、最後には楽しく学べたわけです。
でも、試験場は「ようこそいらっしゃいました!」なんて感じで迎えてはくれません。あくまでも、運転免許を新規交付する「機関」なんです。警察官や警察職員のピリッとした独特の雰囲気に悪いことをしていなくても、なんとなく「おっ」となっちゃいますよね。

そういう、やっぱりいわゆるアウェーの場所なのです。
でも、正確な意味での対戦相手でも敵地でもありません。もちろん、落とそう落とそうと策略を巡らせていることはないのです。それどころか、最近はどこのセンターもとても親切に接してくれる、という話も聞きました。
だから、 無用にドキドキしたりせず、平常心で試験を受けてください。

実際、高橋(仮名)が受験した鮫洲の免許センターでも、案内や試験官は非常に丁寧に説明をしてくれました。時間に余裕を持って出かけて行き(間違えてひとつ前の駅で降りちゃいましたが、楽勝で間に合いました)、説明をきちんと聞いて動けば、なんの怖いこともありません。
試験だって、丁寧に何度も見直して時間をフルに使って受けてください。教習所で受ける効果測定のように「間違えてから、もう一度勉強すればいいや」という気軽な感じではないですし。

最終回なのに、こんなに長くなってしまいましたが、このあたりで、このレポートを終了とさせていただきます。
肝心の免許は取れたのか、そう思ってくださり、ここまでお付き合いをいただいたあなた。
ありがとう、ありがとう。もひとつありがとうございます。ええ、無事にイラストのように、高橋(仮名)は免許が取れましたよ!
長いようで短い、でも得るものの多い日々でした。
免許が取れたことがゴールではなく、ここから楽しいドライブもスタートしますし、ほかの人も含めて安全な交通に寄与する気持ちも満タンです。財布に入れた免許証を、嬉しくて用もなく眺めるような日々が終わったころには、今度はなにが待っているんでしょうか。

いつの日か、あなたとどこかの道の上ですれ違うことがあるかもしれません。ヒゲとメガネの、ちょっと自信なさげなおじさんドライバーがいたら、優しくしてあげてください。きっと高橋(仮名)も、道を譲るはずです。

お互い、楽しいドライブができるといいですね。

最後にもう一度!今回の用語解説

最後の最後まで責任をもって高橋さんをフォローしますよ! デキる男ですから。

・キャンセル待ち
技能の授業(一部の学科も)には、事前の予約が必要です。一度予約を入れた人が、授業開始直前にキャンセルすれば、その人に替わって授業が受けられるシステムが一般的です。教習所によってキャンセル待ちのシステムはさまざまですが、これを活用することでスムーズな履修が可能になります。早い段階で窓口の人に相談して、キャンセル待ちのシステムを把握しておくことをお勧めします。

・規定のコース
課題に準じた走行ができるよう、教習所が設定しているコースです。教官はコースのすべてを知り尽くしているので、余計な恐怖感は抱かず教習を受けられます。なお、高速道路での教習も必須ではありますが、一部の教習所ではシミュレーターでの教習となっています。

・運転免許センター
運転免許センター、あるいは運転免許試験場。各都道府県に1つ以上あり、国家公安委員会の管轄で、実際の運営は警視庁や各都道府県警察が行っている。新規交付では、試験合格後に講習があり、即日交付を希望する場合はほぼまる1日時間が必要。必要書類なども多く存在するので、事前に調べて漏れのないようにしておく必要がある。

さて、中年免許取得の物語はこれにて終わります。教習所がどんなところか、免許を取るということはどういうことかを高橋さんの目線でお伝えしてきました。これから免許を取る人も、絶賛取得中の方もくれぐれも安全に楽しく、これからのカーライフを楽しんでください。
それではまた、どこかの道の上で!(キマッタ……)