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免許取得物語 第3話
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第3話第一段階は一進一退、路側帯!

クランクとS字、恐るるに足りず!

一歩教習所を離れて街を歩けば、当たり前のことですがたくさんの自動車が行き交っています。友だちにはなれなさそうな、感じの悪いおじさんがくわえ煙草で信号待ちをしている姿も見かけます。
しかし、きっと彼らは私が現在苦労している教習過程を、きちんとクリアした方々。いわば、諸先輩方なのです。教習所に通うようになってから、普通に走っている自動車の運転手さんに対して、うっすらと尊敬の念を払いつつ、心の中で「先輩!」とつぶやくようになった私なのです。

さて、教習過程はいよいよ第一段階の終盤です。
第一段階の実地の教習過程の目玉といえば「クランク」と「S字」です。
クランクとは、10メートルほどの短い間隔で右折と左折が交互に配置された狭い道のこと。狭くて曲がりにくい路地を通るための練習、と考えればいいでしょうね。
S字とは、クランクと同じくらいのサイズ感で、曲がり角が直角じゃない、全体でSの文字の形を成している狭い道。
この2つは、初心者には非常に難しいらしく、ここで足踏みをしてしまう人も多いのだとか。
私もちょっと身構えていたのです。なにせほら、運動神経がアレなので。。

現在、教習過程は第一段階と第二段階に分かれています。昔はもっと細かかったそうです。若い僕は知りませんけど。
第一段階では、実地も学科も、主に基礎的なことを学ぶようになっています。変な癖がつかないよう、基本をきっちり習得していく、これがポイントです。

ただ、ここで大きな発見が。
それまで自動車の運転を覚えること対して、私は漠然とこんなイメージを抱いていました。基本的な操作を教えてもらったら、後は自力で習熟するしかないのだ、と。
でも、この路地2大巨頭の単元では、 教官が懇切丁寧に「コツを教えて」くれるのです。
曲がり角が横の窓のこのくらいに至ったら、ハンドルを最後まで切って。
左に曲がる時は車体の右前方が植え込みをなぞるようなイメージで曲がって。

免許を取った後、ドライブはもちろん楽しいんですが、それと同じくらい「取ってよかった!」と感じるのが、自動車を便利に使えた時なんです。
友人から頼まれて「じゃあウチのクルマ出すよ」なんて言って、荷物を運んであげる。 初めて行く住宅街の細い道をススッと曲がれたりすると、クランク習っておいてよかった、って思いますよ。教習所で習うことに、ムダはないんですね!

実際、自動車の運転はとても感覚的なものです。スピードとハンドル操作の兼ね合いなんかは、まさに自分だけの感覚。同じ感覚でハンドルを切っても、スピードが出ているとハンドル操作が間に合わず慌ててしまったり。
でもそういう 100%自分で習得する部分と、明らかにコツとして人に伝えられる部分とがあり、教習所の授業はきちんとその両方をケアしてくれるんだな、と。
お陰さまで、クランクもS字も、一発でハンコをいただきました。えっへん、コロ。

数字以外は楽しい学科

学科の授業は相変わらず楽しいものです。授業の後半に見るDVDに登場する女の子にも見慣れてきて、口元が可愛いななんて、ちょっと愛着もわいています。
それにしても、学科授業がまったく苦になりません。仕事の都合上、土曜日の早朝から受けなくてはならない単元もあったりしましたが、断然平気。
真面目なことを真面目にやるというのは、楽なんです。この楽しさ、学生時代に分かっていたらなあ、と何度も思います。
でもまあ、中には授業が本当に辛そうで、心から退屈そうにしている人も、いるにはいます。超前傾姿勢で頬杖をついて、一切ラインマーカーなどは使わない若者。ペンすら持って来ないで、見かねた教官が貸し与えていた私と同年代の男性などなど。
なんでだろうなあ。

学科を楽しく受けるコツは、多分、実地の教習と同じテンポで受けることかもしれません。3時間乗ったら3時間授業を受ける、とか。
そうすると、授業の中身が不思議なほどリンクしていることに気がつきます。技能の授業でカーブを曲がる時「これが内輪差だよ」と教官から教わって、分かったように思えていた感覚。それが、授業で改めて前輪と後輪の軌道を図で示してもらって、はじめて補完されたと感じます。
あるいは、危険なので線路内では絶対に止まってはいけませんよ、と授業で教わって「そりゃあ、そうだよねえ」と思っていても、実際に手前で一時停止して安全を確認した後、徐行を維持しようとするあまり、うっかり線路の上でブレーキを踏んでしまったり。頭と身体、両方で知識を入れることなんて、そうそうないのですから、これはもう、楽しいはずなんですけどもね。

履修のプランは、実はなかなか難しいものです。短期間に一気に受けるにも、都合に合わせて変則的に受けるにも、こっちの 履修にもコツがあります。
なので、最初のうちに、事務の人とかに相談をしてしまうのがベスト。

なにせ彼らは、いろんなパターンの生徒さんを見てきていますから、こうしたらいいよ、と教えてくれるはずです。

道にはいろいろな立場の人が移動しているんですよね、本当に。
徒歩移動しかしない人は、歩行者の思考だけで道を歩きます。自転車に乗る人は、そこに同じように自転車がプラスされます。
でも、自動車を運転する人は、一番パワーのある乗り物を運転するのですから、すべての立場の人のことを理解しつつ、一番安全を意識しなくちゃいけないんです。
そういう、本当は日常生活の中で気がつくことを改めて教えてもらっている、それだけでもありがたいなあ、と。
しかし、試験は自信がないなあ。覚える数字、多すぎるしなあ。

仰がないけど尊い恩師

教習過程は、着実に進んでいきます。
そしてコースを使っての実地の教習もそろそろ終わりにさしかかってくると、いろいろと分かってくることがあります。

まず、新しいことを覚える楽しさとは別に、新しいことだからこその難しさがあることが分かってきました。前の時間に覚えたものが血肉になる前に、次のことを教わったりしますので、簡単なミスをしでかします。教官からそれを指摘され「あ、そうだった!」となるのです。
これがもう、頻発。上達しているのかどうなのか、分からない日々もありました。
一進一退とはこのことか、と自分の運動神経を疑いそうになりましたが、そういえばもともと運動神経がいいほうじゃなかったことを思い出して、こんなもんかあ、と思い直したり。
自分のできることできないこと、覚えたこと忘れていることなどが、教習所の1時間という短い時間の中で、波状攻撃よろしく襲いかかってきます。
でも、それは決してキツいことではなく、自分を新しいモノサシで計っているようで、常に新鮮な気持ちを維持させてくれる出来事なのです。

第一段階は、とにかく「初めてのこと」という壁が立ちはだかっています。
自分にとっての得手不得手が分からないまま、次に覚えることが出てきますから。
実地の教習時間は、自分のための時間ですので、 教官に「前の時間のこれをおさらいしたい」と申し出れば、時間が許す限り応じてくれるはずですよ。
積極的に、ね。

教官といえば、とにかくいろいろな人がいます。そして、人間対人間ですから、ソリが合わないタイプの教官もいるのです。
私が「うーん、この人とはちょっと……」と感じた教官は、同じ年くらいの細身のおじさんでした。
もちろん、物腰は丁寧だし、教えてくれることに不足はないんです。でも、テンポが合わないんですよ。
たとえば、カーブ手前ではきちんと減速して、と言われます。当たり前のことです。そこで、カーブ手前カーブ手前と呪文のように頭の中で唱えていると、そのカーブに至る直線で「もうちょっとスピード出さないと!」と言われます。
いや、それも当然なんですよ。なにせ、頭の中で呪文を唱えていましたから、自動車のスピードは驚くほど遅くなっていましたから。
でもね、でもですね、そういう「やってほしいこと、覚えてほしいこと」を私に伝えるタイミングが、ことごとく、別のことをやろうと準備している最中なんです。
1時間の教習中、「それ、今!?」と声に出さずツッこんでいました。
どちらが悪いわけでもないんですけどね。

教官はとてもたくさんいらっしゃるので、同じ人と当たることはないようです。私などは、とても不定期に通っていますからさらに、だと思います。
なのに、当たるんです、ソリの合わない教官と。何度も。
もちろん私も人の子ですから、そりゃあ「うわー」と思います。思いますが、そこはポジティブに「いっそ、この人から好かれるようになったら、それはすごいことなのでは?」と考えて、運転は真面目に、言葉遣いは丁寧に、隙があれば楽しいトークを、と心がけました。
でも、履修単位が私より少ない女子高校生の生徒さんと比べられて「さっき乗った彼女、思い切りと勘がよくて、カーブが綺麗に曲がれてたなあ」なんて言われると、んだとこのぅ、となっちゃいますよね。
授業終了間際でクルマを所定の位置に戻す時にそんなことを言われて、動揺して初めて縁石に乗り上げちゃいましたよ。まあ、ハンコはすでに貰っていた後だったのでよかったのですけどもね。

しかしその後、他の教官からの指導を受けて分かったのですが、ソリの合わなかった 教官が指示を出すタイミングとその情報量は、ほぼ完璧だったのでした。
これから向かう先、曲がる方向、ミスをした時の注意、曲がる直前でまた注意。
ああ、あの教官、いい人だったんだなあ。単に、私がいっぱいいっぱいになってただけなんだなあ。
そう思い返しました。
ありがとう、○川教官!
ただ、妙な鼻歌だけはやめたほうがいいな、とは思いますけどね。

ということで、今回は第一段階を通して感じたことや起きた出来事や女の子の口元などについてお届けしました。 次回はいよいよ路上に出かけて行きます! が、その前に第一段階の修了検定が。果たして次回はいきなり路上から始まるのか、再試験の様子からなのか、そこらへんも乞うご期待、です。

最後にもう一度!今回の用語解説

何だか教習所にも慣れてきた感じの高橋さんですが、それでもやっぱり用語をおさらいしておきましょう。

・第一段階
自動車教習所の教習は、技能教習と学科教習に分かれているのは本文の通りです。それらは、さらに二段階に分かれています。
第一段階は、道路で自動車を運転するための基本的な知識、基本的な操作を習得します。

・S字&クランク
日本ならではの狭い道での運転技術を習得するための教習です。この2つが苦手だという人も多いようです。S字では側溝などに落ちないように自分の車のタイヤがどのような軌跡を描いているのかの感覚を、クランクでは側壁などに車を擦らないように前方の感覚を身につける、とされています。

ついに、路上デビューの時が近づいてきましたね。はたして、仮免試験は上手くいったのでしょうか!?