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免許取得物語 第2話
ROAD to DRIVE
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第2話車が動く! 身体は固まる!

教習車はたくさん、教官はスマート

実技の教習第1日目の興奮は、ココ最近体験していなかったようなものでした。
なにせ、実際に自動車という、大きな大きな機械を、自分の手足で動かすのですから。

初めての実車を使った教習当日。ちょっとコンパクトな教習コースを見下ろすと、ところ狭しとみっしり教習車が停まっています。当たり前ですが全部同じ車種。なかなかに壮観な眺めです。
こんなにたくさんの生徒さんが教習を受けるのか、と思うのと同時に、これまでびっくりするくらい多くの人がここから巣立ち、免許を取得したんだな、ということが具体的に想像されて、 「オレもやってやる!」的高揚感も湧いてきます。

とはいえ、私は生まれて初めて自動車を運転する、正真正銘ピュアな運転素人です。その自動車の佇まい、その存在感に多少の緊張は禁じ得ません。逆に、ここで緊張をしないようなら、慣れからくる事故を起こしやすいタイプなのでしょうし。

実際、普通の人が自分で自由に操れる、最も大きな機械は自動車でしょうね。
緊張する気持ちはわかりますし、僕もそうでした。ただ、緊張し過ぎてもいけません。忘れがちではありますが、これから運転技能を習得するんです。
最初はできなくて当たり前。できることをひとつひとつ積み重ねていけばいいんですよ。って今回は僕がオジサンみたいですね。

助手席に座ってドキドキしながら授業開始を待っていると、教官が乗り込んできます。明らかに私よりも若い年頃の男性です。ああ、やりにくいと思わないといいなあ。あ、そういえば、この人がこれから「オレの助手席に初めて座ったのはお前だぜハニー」な人になるのか、イヤそれともこれはノーカウントなのか?
なんてことを考えていると、この時間の教習内容の簡単な説明があり「初めての運転ですから、まずは慣れていきましょう」と、教習はポンポンと進んでいきます。
分かりました、と応えたものの、どうやったら慣れるんでしょうか。想像がつきません。

コース内の適当な場所で自動車を停め、運転を交代です。発進するときに車の下に子どもなどがいないかどうか、フロントを回ってチェックすることなどを教わります。
聞いた話によると、昔はここで自動車の下まで覗き込ませる教官もいたそうです。それを聞いて理不尽だなあ、そんなことを毎回やるのは現実的じゃないし、と思っていましたが、現代の教習所ではさすがにそういうことはありませんでしたね。
教官の物腰も丁寧ですし、サービス業としてもスマートだ、と感じました。

運転は忙しいけど面白い!

ということで、いよいよ本番。
運転席からの景色は、いつもの助手席のそれとはまったく違うものでした。
左側には助手席、ドアを挟んで車外。やけに遠く感じます。前方の距離感は掴めないし、そもそも ドアミラーってこんなに小さかったっけ?

そんなことを考えているうちに、出発の合図。
さあ、1トンを超える鉄のかたまりを、私が動かしますよ!
教わった手順通りに発車です。
初めてアクセルを踏んで自動車が前進した時、それはもう驚きました。なにせ私が自分で動かしているんですから!
ほんの数メートル動いただけで、教官に「上手いですか? 下手ですか?」と問いただしたくなります。だって、ほら、生まれて初めての体験なんですから! オートマ限定でも、感動するものはするのです。誰が私を責められましょうや。

時刻は折しも夕刻。
あたりが少しずつ暗くなり、様子が変わってきます。
車窓を流れる景色は何の変哲もない教習コースなのだけれど、生まれて始めて見る「自分が車を動かしている証拠の景色」です。
ちっとも本気を出していなさそうな穏やかなエンジン音も、自分の足がコントロールするアクセルペダルときっちりと連動しています。
まだ外の世界とは繋がっていない道ですが、これがドライブへの第一歩なのかな、と思ったりもしました。

確かに流れる景色は、自転車のような自力で動かす乗り物とは違いますよね。
そういえば、僕は運動神経がいいので、自転車に乗るのも苦労しなかったなあ。
自動車の運転も簡単にこなしちゃいましたしね。あ、失礼。

しかし、そんな感慨に耽る暇はありません。
私にはすべきことがたくさんあるのですから。
どのくらいブレーキを踏めばどのくらい減速するのか、どのくらいハンドルを回したらどのくらい曲がるのか。そういうことを、その時々の速度やカーブの角度で違うことを、覚えていくしかない。
覚えなくては上達しない、 覚えれば上達できるんだ、そういうことが一気に理解できたのです。

アクセルやブレーキの踏み具合、ハンドルの回し具合なども、その都度トライ&エラーです。
やることが多くて、そして注意することが多くて、忙しいです。こんなに忙しかったのはいつ以来だろうと思う暇もないくらいに忙しいです。分かりにくいけど、忙しいです。
でも、その感覚は、とても好ましいものでした。
何か新しいことを覚えているんだ、そう感じるのは、とても充実感がありますから。

運動神経があまりよくないから、そう思って免許取得を尻込みしている人、多いようです。
でも、学校の体育と運転では、その仕組みが根本的に違います。
実際に動く部分は機械が担当しますし、上達する快感は、運動が苦手だという人ほど大きいかもしれないです。

こうして、あれよあれよという間に、1時間の授業は終了です。驚くほどに時間経過が早かったのです。
人は、楽しいと感じると時間の流れが速く感じるといいます。
踏み過ぎたり踏み間違えたり、回し過ぎたり足らなかったり。できなかったことはたくさんありました。というか、できることのほうが少なかった、が正解です。
でも、楽しかったんです。それは間違いのない感想でした。

そして最後は例のハンコぽんです。お疲れさま、初めてにしては上手でしたよ、なんて言われながら私の出席簿のようなバインダー(この学校では原簿というのですが)にハンコを押してくれる、あの教習所ならではの儀式。これぞ達成感、さあくるぞ、と身構えていたら
「じゃあ、原簿はこちらで返却しておきますね。お疲れさま」と、あっさり去っていってしまいました。
うーん、そりゃないぜハニー。

睡魔は襲ってくる……のか?

実技に初めてがあれば、学科にも初めてがあります。
学科とは、ご存知でしょうが、交通に関してのさまざまなルールなどを学ぶものです。

時間の経つのが早かった実技に比べ、ただ座っているだけの1時間は、もしかしたら退屈かもしれない。睡魔との闘いになるのかもしれない。そんな心配もありました。
しかし、結論から言ってしまうと、 この授業はとても楽しいものでした。

純粋に知識を学ぶのは、楽しいものです。仕事のときも同じように頭を使っているのですが、それとはまったくの別物。思い悩みながらあれこれアウトプットをするのではなく、ただただ 知識が頭に入ってくるに任せる。それは、新鮮で楽しい体験だったのです。
ああ、学生時代もっと真面目に授業を受けておけば良かったなあ。

確かに、授業で語られていることの大半は、普段生活している場所、毎日歩いて渡っている横断歩道や標識のことだったりしますが、それでも「知っているつもりだったのに……」と、新しい発見が山盛りなんです。

追い越し禁止と、追い越しのための車線はみ出し禁止の標識が違うこと(一見そっくりです)や、原動機付自転車の2段階右折のルールとか。
帰り道、通い慣れたはずの近所の道で標識を見つけては、ふむふむとひとり悦に入ったり、授業の後半で見せられたDVD映像に出てきた女の子の顔を思い出したりした私なのでした。

教習所での授業が辛かった、という話もよく聞きます。
しかし、改正された法律についても言及してくれたり、事故の起きやすい原因を具体的に解説してくれたり。
一般の生活に大変有意義な情報も多いといえますね。学校の授業とは別のもの、と考えてもいいのでは?

ということで、今回は初めての興奮を中心にお届けしました。
いくつになっても、新しい経験は楽しいものです。
次回は、 噂のS字やクランクなど、難関といわれる実技などを中心に、ちょっとした失敗談も含めお届けします!

最後にもう一度!今回の用語解説

いよいよ専門的な用語が増えてきましたね!忘れっぽい高橋さんのためにも今回の用語をもう一度おさらいしておきますよ。

・フロント
車両の前方を指す言葉です。4ドア以上の自動車なら前方のドアは「フロントドア」、前方を見るガラスは「フロントガラス」といった具合です。尚、後方は「リア」といいます。

・ドアミラー
運転席と助手席のドアの外側についている、後方を確認するためのミラー。
運転席と助手席の間、フロントガラスの内側についているのはルームミラーで、これらを総称して「バックミラー」といいます。

・オートマ限定
正式には「オートマティック限定免許」。ここでは普通自動車でオートマチック車に限り運転できる免許のこと。
AT限定免許、と略することもあります。

次回はいよいよクランクとS字カーブが待っています!学科と並行でアップアップにならないか心配ですが、きっと大丈夫ですよね!?