

免許を取って初。道なんて全然わかんなくて必死で、ただ言われるまま、ふと気づいたらぐるぐる上ってくいろは坂にいた。なんで行ったのか・・・あの緊張と汗とすれ違う車の向かい風、恐怖越えて何だか笑ってしまったあの日が残ってる。隣には母が居た。車に乗るときはいつも母がいて、危ないときもうまくいったときもいつも。いろは坂を見る度登る度、想い出すのは隣の母だった。今はもういないから、あれから母を乗せていろは坂にはいってないけれど。
誰かの運転に揺られて思うのは車窓からの景色と、母の声だ。あん時のあんたおかしかったわぁ後々よく言われてた。未だにあの緊張に勝るものはない。