春の訪れ

私の誕生日月は３月だ、３月は定期的に訪れる別れの行事が多い月である。
私は見送られるなかで一抹の不安を抱えながらも、新たな生活や環境に希望を迎える準備を今までに幾度かしてきた。
引っ越しの家財道具をバンに積み込み、新天地に向かう、その際にバンの後列まで重なり敷き詰められた段ボール箱を見渡すと、家に雑多に置かれた時には感じ取れなかった、自分の日常の断片がバンの空間に敷き詰められた気がした。そうしてまた節目を終え、春を迎える。