昨年の今日、阿蘇へ行きました。緑と紅が混じり合う山道を抜け、温泉へ。妻は普段病気で臥せているのが嘘かと思うほどに明るい。景色よりも印象に残るのは妻の笑顔。温泉で背中を流してあげ、確かに愛していると感じ、小さな痩せた背中に涙が流れたものの湯気で誤魔化せました。本当は泣きついて抱きしめて逝かないでくれとすがりつきたかった。しかし、目の前にある笑顔をもっと見たくて我慢。帰りの車中で眠る妻を見て、起こさないよう涙をこらえ、楽しい一日だと振り返りました。あれからちょうど一年。日当たりの良い庭先を眺める仕事部屋で今は一人。寂しいのに思い出すと笑顔になる。そんな思い出です。