投稿日:2021/02/11 投稿者:涼風 さん (福岡県・50代・女性)

子どもの頃の父はあまり笑いあった記憶が無い程、寡黙だった。中高大時代も反抗期が続き、同じ部屋にいるのも、声を聞くのも嫌だった。私の結婚間近になってふと思い出したことがあった。保育園時代、歩いて5分ほどの保育園へ行くのに、月に数回私と弟を車に乗せ、近くの山の車道止まりの所まで行き、眼下に広がる町を見下ろせる場所で走り回って遊ぶ私達を少しの間見た後「行くぞ」と保育園に送ってくれていた。よく考えると30分以上かかっていたと思う。私や弟の誕生日には遊ぶ時間を長くしてくれて嬉しかった。当時車内のカセットから流れていた曲を耳にすると、あの時間は父なりの愛情だったと懐かしく思い出す。