思い出の喫茶店

街外れの赤城山の山中にある趣のある或る喫茶店。此処に初めて来たのは、キミが免許を取りたてで、ボクと希望を助手席に乗せて走り出したあの季節だったね。あれからキミの声を聴けなくなってから、10年と1カ月。此処で鳴く虫の音は変わらないのに、世の中はキミが信じられないくらいに大きく変わっているよ。今ならばキミの運転ミスも無かったことにできるほどに、クルマも変わったよ。また此処に来れて良かった。キミと観たあの景色が観れたから。ボクもやっと走り出せそうだよ。今度はキミとの思い出を、助手席に乗せながら。