

桜が満開の頃、父が亡くなってもう14年。
形見のように譲り受けた車。
病気だった父はこの車にほとんど乗っていない。だから父の分まで色んなところへ行きたいと、たくさんたくさん車に乗った。嬉しい事も悲しい事も思い出がいっぱい残ってる。
そんな大切な車を、結婚を機に手放す事になった。なかなか行動を起こせなかったけれど‥
偶然にも車を引き渡す日は私の誕生日だった。
少し淋しい誕生日になってしまったけど。
お父さん、ありがとう。たくさん色んなところに連れて行ってもらったよ。
お父さんの分までちゃんと乗ったからね。
忘れないからね。