叔父の車がセレナだった。叔父は遠くに住んでいて親戚の集まりにもあまり顔を出さない。私はそんな叔父が大好きでいつも会える日を楽しみにしていた。街中でセレナを見ると叔父を思い出す。叔父ではないかと運転手の顔を見ていた時もあった。でもまた叔父に会えた時に車が変わっていた。私と叔父の大切な思い出が詰まったセレナがなくなっていた。セレナが思い出だと思っていたのは私だけだったのかと落胆し、セレナはどこに行ったのかと叔父に聞いてみた。友人に譲ったという答えが返ってきた。あれは知らない人には渡せない。とも言ってくれた。やっぱりあのセレナは私と叔父の思い出だと思えたエピソードだった。