投稿日:2022/02/27 投稿者:けろたん さん (大阪府・30代・男性)

毎年夏になると私達は九州に旅立っていた
いつも雲一つないよく晴れた日だった
空港に降りると予約していたレンタカーに乗り慣れない街を走った
目的地まで約120キロの道のりだ
お気に入りのCDをデッキに入れ狭い空間を音で満たした
私にとって運転は苦ではなく楽しい空間であった
彼女も鼻歌まじりでお菓子を頬張りながらドライブを楽しんでいる
2時間ほど走っただろうか
潮の香りが漂ってきた
もうすぐフェリー乗り場だ
島へ渡るほんの20分の船旅だ
船内でしばし休息をとった私達は再び車に戻った
あと少し
私は大好きな海岸線をひた走った
彼女が生まれ育った地
彼女の母が眠る場所へと