投稿日:2021/10/04 投稿者:ヒログランデ さん (愛知県・50代・男性)

昭和の終わり頃にはじめて乗った車は、母と共用の昭和45年式のオンボロ車であった。淡いグリーンであったであろうボディーは薄い黄色に色褪せ、窓は手動でクーラーはなし。初めてできた彼女とのデートには座席の後ろにラジカセを載せて出かけたが、うれしくて仕方がなかったことを覚えている。
ただ寄る年波には抗えず、ついに車は買い換えられることとなり、母は私のためも考えてか、ちょっと格好いい車を買うことにしてくれた。
納車の日、廃車のために業者に引き渡された、長年連れ添ったオンボロ車の後ろ姿を涙ぐみながら見送る母が忘れられない思い出である。