高校生の時、夏休みに父が突然一週間くらい東北へ行くからついてこい、と一言。早朝東京から東北道を北上、盛岡までたどりつきました。
親戚を訪ね歩き、その後海沿いに北上し青森へ。天気が悪く、訪れた山道は濃霧で一寸先も覚束ず、対向車のライトさえ近づいて初めてはっとするくらい白い世界。異世界のように静かで不気味で、怖くてつけたラジオから時々流れる甲子園の実況だけが賑やか。数時間かけて車が山を降りると急にお腹が空き、どれほど緊張していたのかと二人で笑いました。
父も数年前に亡くなりましたが、あの時は楽しかった、と言い続けました。私にとっても忘れられない思い出です。