新車が届いたので私の誕生日に何気なく、何年振りかの二人だけで出かけたのが主人との最後のドライブになりました。車の趣味で知り合い結婚、いつも車が生活の中にありました。
いつもは子供達が一緒ですが、その日は二人だけ、私の運転に音楽を聴きながら過ごしました。
高速道路から富士山を眺めて、ジープで走った若き日の思い出を語り合いました。
元気で健康が取り柄だった主人が、その二か月後に突然のがん宣告で、五か月後に帰らぬ人となってしまいました。抗がん剤治療の通院で助手席に座る主人の痛々しい姿を忘れたくて、車を買い替えました。