小学生の頃の誕生日に行った外食の帰りのことでした。
久しぶりの外食の余韻に浸っている最中、行きとは違う道を走行していることに気付いて
「道が違うよ」
と運転手の父に言ったところ母が
「この辺りにあなたが生まれた病院があったのよ。今は無いんだけどねー」
なぁんだ今もう無いんだ病院と軽くがっかりしていると母は続けて
「でも出産後初めて家に帰る時の景色と一緒。懐かしいなぁ」
とほとんど田んぼか家しかないような景色を感慨深く眺めていました。
いい大人になった今ふと思いかえしてみると、家族が増えて初めて通った道とその景色をもう一度家族で通りたかった父の計らいだったんだろうなと思います。