アメリカで過ごした2週間は、夏の夜空に打ち上がった花火が淡く消えていくようで、空港に向かう車の中では誰もが口を閉ざしている。窓から眺める太陽は、旅の始まりを行く者のように輝いて、だけど滲んでよく見えない。窓から見える飛行機が、別れの時を告げる。泣かないと決めていたはずなのに、心はどうしてこんなにも。「さよなら」の代わりの「また来るね」言葉だけでは切なくて、その瞬間を切り取り胸にしまう。帰りの車内で彼らは語るだろうか、この2週間の思い出を。旅の終わりは旅の始まり?輝く太陽を背に私は日本へ続く搭乗口へと向かう。