「乗ってみる?」
「乗ってみるか?」
「じゃあ、ちょっと借りるよ」
その会話から、いつのまにか自分のクルマにしてしまったスカイライン。
父のクルマであったものを自分のクルマへとしてしまった。
借りたなら返せ?
そう簡単には返せないよ。
だって、このクルマが一番いいんだから。
それまでの愛車を奪われた父は、口には出さないが
やはり今のクルマには不満そう。
スカイラインとすれ違うたびに、チラッと見ている様子。
当時は俺も買えなかったけど、今なら頑張ればスカイラインを買える。
もう少しまってて。
そのうち、返すから。
「乗ってみる?」
アンタが言ったそのセリフと一緒に。
山並みと青空を区切る稜線
掲載日 2013.6.14
SHINRA77さん
My Life, My Skyline. 2013/5/1