祖父の車

私が５歳の時ですが、祖父が車を買い換えるということで、
新しい車が納車される日の朝、私は祖母と今まで親しんできた車で最後のドライブに行きました。
家の近所を少しドライブしただけだったのですが、もうそろそろ家に帰ろうかという時に急に車が止まってしまいました。特に今まで故障していたわけではなかったのに、何故か動かなくなってしまったのです。
その時に祖母が「この車は別れを悲しんでるのかな？」と言い、幼かった私は、物にも感情があるのかと信じてしまいました。３０年以上経った今でもその祖母の言葉が忘れられず、長く使ってきた物などを買い換える際はとても申し訳ない気持ちになってしまいます。