祖父の家は山の奥にあり、よく家族で出かけていました。
夜までたっぷり遊び、帰り道はエンジン音を子守唄にうとうとしていた私。エンジン音が止まり、肩を揺らされて起こされたのは途中の田んぼ道。降りてごらんと言われ、眠い目をこすりながら暗がりをぼんやり眺めていると、父がハザードをつけました。
チカチカとオレンジの光が田んぼを照らすと、後ろから姉のわぁっと言う声がし、振り返ると…
無数の蛍が目の前を飛び交っていました。
そこは蛍が見られるスポットで、夏に見せてあげたいと父はずっと思っていたそう。
可愛い星がチカチカ飛び交う光景は今でも忘れられません。