12年前、初めての子どもを出産。幸せなはずなのに慣れない世話で腱鞘炎や腰痛、何をしても泣き止まない赤ちゃんと夜中まで一人。気が付けば朝ごはんの食器が夜まで出っぱなし。なにもかも放り出して逃げようか…でも子どもを置き去りにする勇気もなく、子どもを抱えて車で飛び出した夜の街中。
ハンドルを握りながら泣けて泣けて。ふと気が付けばバックミラー越しに、ベビーシートですやすや寝ている子どもの寝顔。家に帰って玄関を開けると、ほんのり家の中の空気が緩んだ気がした。明日は、この子と公園に出かけてみよう。そう思えた自分がいた。